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4ステップで分かるWiMAXとWiMAX2+の違い比較

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WiMAXには、WiMAXWiMAX2+という2つの通信方式があります。しかし、違いがよく分かっていない人も多いと思います。なぜなら、名前がとても似ているのに全く違うものだからです。また、この2つの通信方式を理解するためには、現存するプランや通信モードの種類を知る必要があります。

 

そこで、このページではWiMAXWiMAX2+がどんなものなのか、それぞれのメリット・デメリットは何か、どちらを使うべきかなどを4ステップで解説していきたいと思います。順を追って説明していくのでしっかりと読み進めていってください。

WiMAXとWiMAX2+の基礎

ステップ1です。まずは、初心者が押さえておきたい基礎知識を紹介します。

WiMAXとWiMAX2+は電波の名称

WiMAXWiMAX2+も、簡単に言えば電波のことです。WiMAXサービスを構築したUQコミュニケーションズという会社が、扱う電波を識別するために「WiMAX」「WiMAX2+」という名前を付けました。

 

WiMAXマスタールーターが電波を発している図

 

WiMAXの端末ではこれらの電波を使うことで、データ通信のやり取りを行います。

WiMAXとWiMAX2+の違いは通信速度

WiMAXWiMAX2+ではいったい何が違うのでしょうか?これはとても簡単です。通信速度が違うだけなのです。初心者の方の中には「新しく出来たWiMAX2+のほうがWiMAXより電波をキャッチしやすい(感度がいい)んじゃないか?」と考える人もいるようですが、そんなことはありません。感度はどちらも同じです。

 

【WiMAXで扱われている電波の速度】

  • WiMAX2+220Mbps(※現在は440Mbps
  • WiMAX13.3Mbps

 

これを見ると単純にWiMAX2+のほうが速く、WiMAXのほうが遅いですね。実際はWiMAX通信を行う環境(屋外か屋内か)によって多少速度は変わってきます。

 

とは言っても、実力的にはWiMAXWiMAX2+にこれだけの差が存在するということを覚えておきましょう。

WiMAXとWiMAX2+のメリット・デメリット

ステップ2です。続いて、WiMAXWiMAX2+それぞれにどんなメリット・デメリットがあるのかを確認していきます。

データ通信制限の有無

先程、WiMAXWiMAX2+には速度の違いがあると言いました。これだけを聞くと「WiMAX2+を使ったほうがいいじゃないか」と思うかもしれません。しかし、WiMAXサービスではこの2つの電波に異なるルールを作りました。

 

【2つの電波の異なるルール】

  • WiMAX2+通信制限を設ける
  • WiMAX無制限にする

 

ここでは、高速通信であるWiMAX2+には通信規制があり、WiMAXは完全無制限であることを覚えておいてください。

利用可能エリアの広さの違い

WiMAXWiMAX2+は、対応エリアに違いがあります。

 

2009年にWiMAXサービスが始まった時にはWiMAXの電波しかなかったので、WiMAX2+の電波がスタートした2013年頃は「まだまだWiMAX2+の利用可能エリアはWiMAXより狭い」と言われていました。

 

しかし、現在はWiMAX2+の発展に力を注いでいるため、対応エリアの逆転現象が起こっています。下の3つの図を見てみてください。

関東エリアのWiMAX・WiMAX2+対応エリア比較

WiMAXマスター関東のWiMAXWiMAX2+対応エリア比較

中部エリアのWiMAX・WiMAX2+対応エリア比較

WiMAXマスター中部のWiMAXWiMAX2+対応エリア比較

中国エリアのWiMAX・WiMAX2+対応エリア比較

WiMAXマスター中国地方のWiMAXWiMAX2+対応エリア比較

サービスエリアマップ|UQ WiMAX

 

全国的に見て、WiMAX2+のほうが対応エリアが広くなっています。逆にWiMAXは対応エリアの拡大がストップしています(拡大予定が発表されていない)。

 

こうした傾向から、WiMAXサービスを利用する場合はWiMAX2+の電波を使ったほうがエリア的に見てつながりやすくなっています。

プランで変わるWiMAX2+の制限内容

ステップ3です。先程、WiMAX2+には通信制限があると言いました。これは誰もが気になるところだと思います。しかし、制限内容は申し込むプランによって変わってきます。プランは2つ。それぞれでWiMAX2+の通信制限がどう変わっていくのか確認していきましょう。

ギガ放題プラン

まずは、現在主流となっている「ギガ放題プラン」を紹介します。簡単に特徴をまとめてみました。

 

【ギガ放題プラン】

  • 月額料金:4,380円
  • WiMAX2+3日10GB制限
  • WiMAX:無制限

 

ギガ放題プランで高速通信WiMAX2+の電波を使った場合、3日10GB制限があります。これは過去3日間(4日前~1日前(昨日))の通信量合計が10GBを超えると、通信速度が1Mbps(動画YouTubeの標準レベルが見れる程度)まで下げられるというものです。

 

この制限は、過去3日間(4日前~1日前(昨日))の通信量合計が10GB未満の日になるまで(18時~午前2時の間で)続きます。詳しくは『徹底解説!WiMAX2+の3日10GB制限はどれくらい快適か?』を参考。

 

また、WiMAX2+3日10GB制限がかけられていたとしても、WiMAXの電波を使うようになれば制限は関係なくなり、13.3Mbpsの速度で通信が出来るようになります。

通常プラン

もう1つの「通常プラン」の紹介をします。

 

【通常プラン】

  • 月額料金:3,696円
  • WiMAX2+月7GB制限と3日10GB制限
  • WiMAX:無制限

 

通常プランでもギガ放題プランと同様、WiMAX2+には3日10GB制限があります。しかし、それだけではありません。月7GB制限もあります。

 

月7GB制限とは、その月に利用した通信量が7GBを超えると、通信速度が超低速の128Kbpsまで抑えられてしまうというものです。この制限は、翌月の1日になるまで続きます。そのため、3日10GB制限どころではなくなってしまいます。

 

また、WiMAX2+月7GB制限3日10GB制限がかけられていたとしても、WiMAXの電波を使うようになれば制限は関係なくなり、13.3Mbpsの速度で通信が出来るようになります。

WiMAXの電波は使うことが出来ない

ステップ4です。ここまで読むと、中には「WiMAXの電波なら無制限だから、月額が安い「通常プラン」に申し込んで、WiMAX2+に制限がかかったらWiMAXを使えばいいのでは?」と思う人がいるかもしれません。

 

しかし、現在はほぼ強制的にWiMAX2+しか使えなくなっています。

使う電波を自分で選択できない

WiMAXの端末には、いくつかの「モード」があり、それを自分で切り替えることが出来るようになっています。

 

かつて、2014年以前に発売されていたWiMAX端末(製造終了)には「ノーリミットモード」という、WiMAXの電波だけを利用してデータ通信を行うモードが存在していました。

 

WiMAXマスターHWD15のモード説明

WiMAXマスターNAD11のモード説明

 

しかし、2015年以降に発売されたWiMAX端末には「ノーリミットモード」が廃止されています。

 

WiMAXマスターW02モード説明2

WiMAXマスターWX02のモード説明

WiMAXマスターWX01のモード説明

WiMAXマスターW01のモード説明

W01W02のハイスピードプラスエリアモード(au LTE4G通信専用モード)は、auの回線を利用した通信で、これに切り替えると月額料金に別途1,005円が加算されます。また、これはauの回線を利用したものなので月7GB制限があります。

 

どれを見ても、WiMAX2+の電波を優先して使うモードがメインとなります。「優先」と書いてある理由は、WiMAXには対応しているが、WiMAX2+には対応していないエリア」へ行った時に、端末が自動的にWiMAXを利用するようになっているからです。

「ハイパフォーマンスモード(ハイスピードモード)」は、WiMAX2+に制限がかかったからといって、使う電波がWiMAXになるわけではありません。

 

しかし、上の『利用可能エリアの広さの違い』でも説明したように、現在はWiMAX2+のほうが対応エリアが広くなっています。要するに、WiMAX2+に対応していないエリアは、そもそもWiMAXにも対応していないのです。そういったことから、WiMAXを使うことはほぼ出来なくなっています。

WiMAXの電波は消滅傾向にある

ここまでWiMAXが使えないとなると、「WiMAXは存在する意味がない」と思ってしまいますが、この考えは間違いではありません。WiMAXサービスを有するUQコミュニケーションズは、意識的にWiMAXを無くそうとしています。

「ノーリミットモード」の廃止

これは先程言ったことですが、新型のWiMAX端末には、WiMAX2+を優先的に使うモードのみを搭載し、自由にWiMAXが使えないようにしました。

割り当てられている周波数帯域の変更

UQコミュニケーションズは2015年の3~10月の間で、これまでWiMAXに割り当てていた周波数帯域の一部を、WiMAX2+に切り替えてしまいました。

 

WiMAXマスター周波数帯域の変更別紙

 

その結果、WiMAX2+の通信速度は110Mbpsから220Mbps(※現在は440Mbpsに上がり、WiMAXの通信速度は40Mbpsから13.3Mbpsに下がりました。

 

WiMAXマスター周波数帯域の変更

 

こうしたことからも、WiMAXの消滅が近いことが分かります。

2018年にWiMAXの電波が消滅する計画

UQコミュニケーションズは2013年の7月に、総務省に以下のような計画書を提出しています。

広帯域移動無線アクセスシステムの高度化のための特定基地局の開設計画の認定に係る審査概要|総務省

 

これを一番下までスクロールすると、左下の絵の「H30.4.1~」の部分に「キャリアアグリゲーション+8×8 MIMO」と書いてあり、すべての周波数帯域が「WiMAX R2.1AE(いわゆるWiMAX2+)」になっていることが分かります。

 

そのため、2018年の3月31日にはWiMAXの電波が使われなくなると考えて良いでしょう。

WiMAXやポケットWi-Fiに無制限プランが存在しない理由と3つの案

まとめ

ここまでのことから、WiMAX2+には通信制限があるものの、速度・エリアともにWiMAXより優れていることが分かったと思います。また、WiMAXサービスを利用するのであれば、制限が比較的緩い「ギガ放題プラン」と契約したほうが、快適なインターネット環境を手に入れることが出来ます。

 

唯一無制限であったWiMAXがなくなってしまうことは悲しいですが、より多くの人が快適にインターネットを使えるようにするためには、回線を無制限にすることは難しいのです。

 

それを踏まえた上で、WiMAXサービスを利用するか検討していきましょう。